今回ご紹介させていただきますお客様は３０代女性の方です。
こちらの方はペーパードライバー歴１５年の方で、ご自分で趣味のために他の都道府県も含めてあちこち運転できるようになりたいという目的でご依頼くださいました。
今回は、４回目と５回目をつなげた計５時間（１回の講習時間は２時間半）の講習で、宮前区のご自宅から千葉県は木更津金田にありますアウトレットモールへの高速道路を使った往復と、ついでにショッピングもという目標です。
当ファースト川崎は、指定自動車教習所での勤務経験のあるインストラクターが在籍しておりますが講習内容はお客様のお望み次第で、今回のようにショッピングやドライブスルー、駐車練習のみ、講習の合間に休憩時間をどれだけ挟んでも大丈夫、といったように自由となっております。当日、インストラクターとご相談くださいませ。
事前準備
今回のお客様は全１０回の３０時限コースでご利用車両は当社の講習車です。
もちろん、ご希望に合わせましてマイカー・カーシェアなどもご利用いただけますし、「全４回のうち、最初の２回は不安だから講習車を借りて、後半２回はマイカーがいい」ということももちろんできます。
事前に決めておきました場所でお客様と待ち合わせまして免許証を確認させていただき、車内で座席やミラー調節を行いまして（初回などはエンジンのかけ方からご説明いたします）、今回の目標やルートを確認いたしましたあと、発進です。
尻手黒川道路から東名高速→首都高速道路へ
待ち合わせ場所から尻手黒川道路を目指します。宮崎台や宮前平の住宅地は横浜市の住宅地と似ていまして「狭く、入り組んでいて、急坂」というところがよくあります。
生活道路ですので歩行者・自転車の往来もありますが、平日の朝９時過ぎということもあり、通勤や現場への交通の流れも一通り収まったあとですので快適に運転されていきます。こちらのお客様は１回目の講習から運転の技術を自分のものにされることが非常に早く、２回目以降ではすでにこの周辺に限らず他市などへ趣味のための場所などへ運転されていました。その模様はまたどこか違うところで。
ものの５分程度で尻手黒川道路という片側二車線道路へ出てまいりました。ミラーに目視という安全確認をしっかりされまして、バイクや歩行者・自転車の往来への確認もしっかり行えての左折もきれいに決まりました。５０ｋｍ/ｈへ速度を調整し、東名高速道路 東名川崎ICを目指します。
この道路は宮崎台や宮前平付近ですと各交差点に右左折するために止まって対向車・横断歩行者待ちの車がおりますので、お客様に視線を遠くに向けていただきます。
お伝えしているそばから奥に左折待ちで止まっている車を避けるために右へ進路変更していきます。
「奥に路上駐車はいそうですか？」
「今のところ大丈夫だと思います」
というやりとりを経て、木曽路宮前平店を過ぎます。
「上に緑色の案内標識が出てまいりました。あそこに高速道路への入口が書いてあります」
すぐに形が丸く背景が青で、車のイラストが書いてある「自動車専用（高速道路）」の標識が出てまいりました。
「ああ、ドキドキする」
とおっしゃられながらインターチェンジに侵入します。
料金所には「一般」と「ETC」の区別があり、お客様がETCカードをお持ちになって講習車の車載器へ差し込まれていましたので私達はETCのゲートを通過しました。通過する速度についてもお伝えしましたが、それと同じくらい重要なのが、その先の分岐をいち早く見ることです。
「東京」「名古屋」と分岐されているところに差し掛かる前に、あらかじめルートぎめの際にはっきりしておきました「横浜青葉ジャンクションから首都高速北西線に分岐します」というやりとりから、東京とは反対方向ということで「名古屋」方面へ分岐いたしました。
さあ、合流です。
右手に見えてくる赤いポールから右ウインカーと右サイドミラーをつかって右後方確認、合流前に目視をしまして無事合流できました。お客様も嬉しそうでしたが、その後すぐの加速して制限速度まで上げなければならないため、すぐまた真剣な表情に戻られました。この表情は、目が速度に慣れるまで続きます。
「みんなすごい速さですね」
「そうですね、でもお客様も負けてませんよ」
事実、お客様の速度が80km/hに到達するのには一瞬、そこから法定速度をキープするのに時間はかかりませんでした。
「みんなの速度って、わりと・・・」
とお客様がおっしゃるとおり、高速道路を思い思いの速度で走られている方々もいらっしゃいますが、その方々が全てではありません。意外と、みなさん制限速度をしっかり守られて走行していらっしゃいます。それが体験として知ることができますと、安心できますよね。
東名川崎から横浜青葉までは10分もかかりませんが、その間にお客様は、まわりの交通の流れの様子や想像以上に道路が広いこと、想像より車の数がまばらであることなどより多くのことに気が付かれていきます。
流れるようなカーブを先の方まで見ることができたとき、横浜青葉JCTが近づいてまいりました。
ジャンクションからトンネルへ
「あの標識ですか？ たしかに小さく【首都高】って書いてありますね」
お客様がご指摘されたとおり、案内標識（高速道路ではみどり色）に半分に区切られた書き方で「出口」についてと「首都高」への切り替えについて書かれています。
それに従いまして、みんなが走行している本線から側道へ入りまして、速度を落とし、出口（直進）ではなく首都高への分岐の道路（左の車線）へと進路変更してくねくね曲がりながらの上り坂を走行していきます。下り坂になってゲートが出現し、そこが料金所のゲートであるために「一般」「ETC」の別があるので我々は「ETC」のレーンを20km/hでくぐり、首都高へと乗り継ぎます。
ETCレーンは20km/hを超える速度では、もし自分の前を走る車がETCカードを入れ忘れていたりして急に止まったときに自分が止まりきれなくて前に追突してしまったり、バーが開くのが遅くてその料金所のバーを壊してしまった場合、修理費用として60,000円ほど請求されるというお話もあります。
お話に戻ります。
料金所を過ぎますとほどなくしてトンネルの中に入っていきます。片側二車線道路のトンネルを走行していますとお客様が、
「速度が知らない間に速くなってる！」
とびっくりされていました。
これはお客様だけの話ではありません。トンネルというのは意外と上り坂・下り坂というのが実感として分かりづらかったりします。しかも、前を走る車においていかれないように気にしながら走行していますと、自然と速度超過となってしまうことがよくあります。
わかりづらいのは下り坂だけではありません。
北西線ではありませんが、上り坂になって速度低下になっている車に気づいてもらうように左の壁に、部分的に緑の光が手前から奥へと点滅して「このひかりについていくようにスピードを出して」という高速道路もあります。そうでなければ、上り坂で速度が落ちていることに気が付かない車が出て、そこから長い渋滞ができてしまうからです。
下り坂にはこのような緑のひかりはありませんので、スピードメーターを見比べながらトンネルを走行していきます。
「トンネルって、運転席からはこんなに圧迫感あるんですね」
ペーパードライバーの方も指定自動車教習所で高速教習を受ける教習生の方も、「トンネルの圧迫感」について困惑される方々は結構いらっしゃいます。四方を壁や天井に囲まれている上に、トラックが隣を通過していくときは心拍数が上がるそうです。そのトンネルが長く、一旦IKEA港北から日産スタジアム間では地上に出るものの（第三京浜等への分岐のため）、そこからまたトンネルとなり、菊名や妙蓮寺・大口駅周辺の馬場ICや岸谷生麦ICまで続くトンネルは長いです。
お客様はというと、先程まで怖がられていらっしゃったのに、港北ICを通過してからというもの、「前がトラックだと見づらいですね」と気持ちを切り替えていらっしゃいました。
川崎周辺からアクアラインへ
そのJCTは突然現れます。
左へ側道が流れ、そこには緑の案内標識で「↖️羽田 ↑K5 B 湾岸線」と書いてありますので、休憩のために大黒PAを目指す関係でK5首都高速神奈川5号大黒線を目指すべくまっすぐ走ります。
大黒PAには、メディアなどでおなじみの珍しい車たちが各都道府県のあちこちから連日集結しています。そこへ降り立ち、休憩という名の見物です。
スカイラインや外国車なども、同じ車種でありながら作られた年代が違うおかげで形などが微妙に変化しています。そういったものがわざわざ隣同士に連なって止まっていたりします。おそらく、SNSの成せる業なのでしょう。
「こういう集まりって平日休日関係なくあるんですか？」
「ありますね、規模はさすがに変わってきますけど」
パーキングエリアですのでもちろんお手洗いや売店もあります。ほぼ初めての高速道路で2種類体験されていますお客様は珍しそうに辺りを見回していらっしゃいました。
アクアラインから木更津のアウトレットまで
大黒PAを出発した我々は首都高湾岸線から浮島JCTを目指します。扇島を走行していますと眼下に川崎工業地帯が広がります。夜景ばかりが取り沙汰されますが、なかなかどうして、昼の錆すら美しい工業地帯の様はそれだけで我々に話題を提供してくれます。
さあ、浮島JCTです。
ここはカーナビやGoogleマップを見ながら走行しても良いんですが、おすすめは案内標識を見ながらの走行です。これが一番間違いづらく、確実です。
案内通りに進みまして程なく片側二車線のトンネルに入りました。アクアラインです。
「今日はまだ空いていますね」
「そうですね。ただ、土日の朝や、木更津金田からの夕方の時間帯は最悪です。早めに帰ってくるほうが精神衛生上おすすめです」
片側二車線のトンネルで、我々は講習車をどんどん抜いていく車たちを見送っていきます。制限速度で走行しているのに不思議ですね。
10分ぐらいでしょうか、トンネルの奥が明るくなり、やがてトンネルから出ますと角度のきついのぼり坂となります。そこに左への分岐が出てまいりますとそれが「海ほたる」への道となります。海ほたるの方へ分岐せず、坂をのぼり切りますと視界いっぱいに海が広がります。
海の景色を堪能しましたら木更津金田ICに到着し、いちばん左のレーンを通り、アウトレットへの案内標識どおりに通りましたら一般道へと合流されます。
「合流ももうお手のものですね」
という感想も出るほどにさらりと合流されました。
幾度か交差点を曲がりますとアウトレットへ到着です。
この日は日曜日ということもありアウトレットの敷地から駐車場への道がとても混んでいて長い列を作っていました。駐車場へたどり着いて車を停めるまで10分ぐらいで済んだのは運が良かったです。お客様の日頃の行いがよろしいのでしょう。
休憩 アウトレットでお買い物
さて、せっかくアウトレットにいらっしゃったということで、休憩と言う名の自由行動です。
「集合時間は？」
「荷物は全部持っていきますか？」
など必要なことを決めまして、一旦解散です。
この三井アウトレットパーク木更津には有名ブランドのテナントが種類多く、カフェなども多数あるため時間が許せば何時間でもいられます。通常他のアウトレットでは出店していないブランドもここでなら実物を見ることができるので、好きな方にはなおさら魅力的な空間でしょう。
私がカルディやジェラート屋などで集合時間を待つ間にお客様はとても満喫されたようです。お互いアウトレットに納得いたしまして帰路へともどります。
帰りもスムーズに
アウトレットのある木更津金田というインターチェンジは土日の夕方は東京方面が非常に混雑します。ですので早め早めに帰っていかれる方も珍しくありません。我々もお昼ごろに出発しました。
帰りもオーシャンビューの視界から長いトンネルへ入ります。お客様も、
「サングラスを持ってくればよかった」
とおっしゃるほどの日差しのあとにトンネルに入りますと暗順応がおこり、少しの秒数だけ視力が低下します。それが原因でトンネル入ってすぐの渋滞に気が付かずに突っ込んだりする事故もありますので、避けたいものです。
往路よりも復路のトンネルのほうが距離が短く感じるのはなぜでしょうか。思われているより早く浮島ジャンクションを告げる案内標識を目の当たりにされ、
「あれはどういう意味ですか？どちらの車線にいればいいのですか？」
とおっしゃられました。無理はありません。急に案内標識が出てきたかと思えば、左へ角度のきついカーブした矢印とそこから分岐する矢印に添えられた文字は、普段運転し慣れている方も一瞬戸惑うような表現だからです。
「東京方面ですと目的地が川崎市なので違う方向に行ってしまうため、横浜方面を目指していかれるのがいいのかと思います」
ここはトンネルという閉所で制限速度も速め、しかも渋滞していた箇所が終わって速度を出し始めた頃にこの案内標識がでてくるためにわかりづらいです。
トンネルを出ましていくつかの分岐をすぎ、川崎工業地帯を再び通ります。
「こちら側は行きと少し違った景色で、ディストピア感がありますね」
などわいわい走行しましてやがて生麦JCTで首都高速北西線へと乗り換えまして、また長いトンネルを走行します。
海ほたるは長い直線でしたがそれでも走行するだけでトンネルの練習になります。それが、この北西線のトンネルで活かされています。往路よりもカーブ走行で曲がる方向への寄りぐせが軽減され、速度も制限速度まですぐに届いた後でキープするということが良くできていました。
やがて横浜青葉JCTで東名高速道路へと乗り換えます。
海老名や横浜町田IC付近の渋滞で有名ですが、横浜青葉ー東名川崎間は空いていますので頼りになります。
「あちこちの高速道路が体験できて、駐車も自分の思うところにできた上にアウトレットで買い物もできてとても満足です」
とご満足いただけたご様子、私も大変嬉しく存じます。
こちらにも体験レポートがございます。
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